喘息とは

喘息(気管支喘息)は気管に炎症が起きて気道が狭くなる病気です。気道に炎症があるとちょっとした刺激でも過敏に反応して喘息発作がおこり、せきが止まらなくなったり、息苦しさを感じます。

炎症ができる原因は、アレルギーや、運動などと様々ですが、子供から高齢の方まで幅広い年齢層でかかる可能性があります。

年代による喘息の違い

喘息は子供がかかるものは小児喘息、大人が発症すると成人喘息とよばれています。

どちらも適切に治療を続けると、発作が起こらない状態を続けることが可能で、小児喘息の場合は成長すると症状が落ち着く可能性もある病気です。

小児喘息

おおよそ15歳くらいまでに発症するものを小児喘息とよびます。

小児喘息は早期に適切な治療を行うと、成長とともにアレルギー体質が改善され、患者のうち70%程度は成人までに落ち着くといわれています。早い場合は乳児の頃から発症するので、保護者が身体の異変に早く気付いてあげることで悪化を防ぐことができます。

小児喘息の発作の原因の多くはアレルギーによるものです。家族がアレルギー体質をもっている場合は、子供も同じくアレルギーが原因で喘息を発症する可能性があります。また、妊娠中も含めて受動喫煙があると喘息にかかるリスクを高くするといった報告もあります。

喘息を発症していなくても原因となる刺激から遠ざけることが発症の予防に繋がります。

成人喘息

小児喘息と区別する為、大人がかかる喘息を「成人喘息」とよんでいます。

子供の頃から症状を持ち続ける人もいますが、中高年になると患者数が増加していると報告されており、大人になってはじめて喘息を発症する人が少なくありません。

また、小児喘息と比べると原因がアレルギーでないことも多く、はっきりとした原因が特定できない場合があります。症状の大小にもよりますが、適切な治療と予防をすることで発作が出ない状態を続けることができます。

喘息と似た症状の病気

喘息と症状が似ている疾患例です。自己判断では判別が難しいことや、喘息以外の病気だった場合でも、悪化してしまう前に早期対処は必要ですので、気になる症状がある場合は早めに診察を受けることが必要です。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

COPDは長年にわたり有害物質(主にたばこの成分)を吸い続けると発症する、肺の中の気管支が炎症を起こす病気です。呼吸機能が低下する為、風邪を引いていない時にもせきや痰がでたり、呼吸が苦しくなります。喘息とCOPDは併発することもあり、その場合は両方の治療の兼ね合いも難しく、症状が悪化しやすくなります。喘息をお持ちの方は早めの禁煙をおすすめします。

せき喘息

風邪を引いた時に、他の発熱などが治まってからもせきだけが8週間以上出る状態が続いたり、就寝中にせきが出て目が覚めてしまうような症状がある場合はせき喘息の可能性があります。喘息と違い、呼吸をするときにヒューヒュー、ゼイゼイといった音は聞こえません。せき喘息になると市販の風邪薬では改善できず、喘息と同様に吸入ステロイド薬での治療が必要になります。放っておくと喘息に移行する恐れがある為、早めに治療を始めることが必要とされています。

アトピー咳嗽

咳嗽(がいそう)とはせきが出ることで、アレルギー体質の人がなりやすい、イガイガとしたせきが止まらなくなる症状です。アトピー咳嗽は呼吸をするときにヒューヒュー、ゼイゼイといった音は聞こえません。せき喘息と症状は似ていますが、せき喘息の治療に使われる気管支拡張薬で効果がなく、喘息に移行することはありません。

喘息と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

喘息によく似た症状の、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の症状を持つ人がコロナウイルスに感染すると重症化しやすいといわれていますが、喘息と新型コロナウイルス感染症の関係性は現時点ではっきりとはわかっていません。

しかし、ウイルスに感染して肺炎や風邪のような症状が出ることで、喘息の症状が重症化する可能性は考えられています。喘息患者は、感染予防とあわせて、喘息の日々のコントロールで発作予防を続けることが大切です。

新型コロナウイルスの予防法や最新情報は、随時厚生労働省より発表されています。


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