喘息の治療薬

喘息は症状の程度に合わせて、発作をしずめるための治療と、発作が起きないように予防する治療があります。

発作が出ていない時でも気道の炎症の状態は続いているので注意が必要です。発作が出ないからと自己判断で治療を止めてしまうと、ますます気道が狭くなって悪化してしまいます。治療を怠ってしまった軽症の患者が急な大きな発作で亡くなる例もあります。

治療を継続して発作が出ない日常生活を送ることを目指しましょう。

参考

松瀬 厚人監修「ぜんそく」の事がよくわかる本 P62~63.70~71 (2017年)

喘息の治療薬の種類

発作止めの薬

発作が出た際に、気道を広げて呼吸を楽にする薬が発作治療薬で、リリーバーともよばれます。

例えば気道を広げる作用のある「短時間作用性β2刺激薬」や、即効性はありませんが炎症を抑えて発作がひどくなるのを防ぐ「ステロイドの飲み薬」が使われます。

短時間作用性β2刺激薬は発作をすぐに収めることができますが、単体では気道の炎症自体は治らないので日常から吸入ステロイド薬の服用が必要です。また、使いすぎると動悸といった副作用が強く現れてしまうので規定の量を超えて使用してはいけません。

上記の2つの薬剤を同時に吸入できる配合剤の吸入薬も使われています。

発作予防の薬

発作が出ていない時に使う薬が長期治療薬で、コントローラーともよばれます。

基本的に使用するものは「吸入ステロイド薬」です。

吸入ステロイド薬の服用でよく使われるのはドライパウダーを吸い込むタイプですが、吸う力が弱い方には薬の粉を勢いよく吸い込むことが難しい点があります。吸入を補助する器具や霧状にして吸い込むタイプもあるので、自身にあった方法で服用できます。

長期的に同じペースで同じ量の服用をしていき、コントロール良好な状態が続くと医師の判断で減量していきます。たとえ薬を減量したり中止しても、例えば風邪をひくといった何かきっかけがあると再度症状が強く出る可能性があるので自己判断での中止はやめましょう。

その他の治療薬

喘息の治療薬には症状に合わせて様々な種類の薬を使用して治療が進められます。COPDを併発している場合は気管支の収縮を抑える抗コリン薬が使われたり、アトピー性喘息の場合はアレルギーの反応を抑える抗アレルギー薬を発作予防に使用したりします。

花粉のアレルギーがある方は、花粉が飛ぶ時期より少し早めから抗アレルギー剤を服用すると症状が軽度になるといわれています。

ただし、他の病気で常用薬がある場合や、妊娠中の方が抗アレルギー薬を使用する場合は注意が必要ですので医師に相談が必要です。

ステロイド薬について

喘息治療に欠かせないステロイド薬は、国内でも昔から他の病気の治療に使用されていましたが、1990年代に喘息治療に有効であると解明され、使用されるようになりました。

どんな薬にも副作用が出る可能性がありますが、ステロイド薬は長期的に使用すると糖尿病や高血圧といった副作用が生じる可能性がある薬です。

吸入でステロイド薬を服用すると、薬の成分が全身まで届かず、気道から肺にかけてのみ届けられるので、飲み薬と比べると少ない量で済みます。その為年齢関係なく妊婦の方でも使用ができます。

吸入ステロイドを服用する際は口の中に成分が残らないように毎回うがいを行い、飲み薬のステロイドを服用する際も医師からの指示通りに服用しましょう。

喘息治療薬の開発

現在世界中の研究機関で新しい喘息治療薬の開発が進められています。

新薬の開発には治験(臨床試験)を行い、症状をお持ちの方に協力頂き、薬剤の有効性などを調査します。

V-NETでは小児喘息、成人喘息の症状をお持ちで喘息治療薬の治験ボランティアに参加して頂く方を募集しています。

現在使用中の薬剤で症状が改善されない方は、新薬が有効な可能性もありますので検討してみてください。

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