[タバコに関する]
アンケート結果発表

近年、タバコに関する状況は増税、健康増進法、そしてコロナ流行などの要因で大きく変化しています。これにより、喫煙者を取り巻く環境も年々変わっています。さまざまな変化の中で、タバコに対する考え方や世代による違いがあるのかを調査しました。

[調査概要]

調査内容
タバコに関するアンケート
実施対象
V-NET会員とアンケートモニターサイト閲覧の非会員の方
実施方法
V-NET会員への告知とアンケートモニターサイトへの掲載
実施期間
2023年2月27日(月)~3月26日(日)
有効回答数
3,741票(男性:2,066名、女性:1,682名、11~90歳 / 平均年齢45.7歳)

アンケート結果の分析・考察

タバコのイメージについて該当する項目を選択してください(複数回答可)

※グラフをタップすると別ウィンドウで開きます

「かっこいい」というイメージがまだ若年層でも少なからずある

全世代を通して「健康に悪そう」を選択した方が多く2,794票でした。また、「衣類等に煙の臭いがつく」が2,411票などネガティブなイメージを選択する方が多い結果となりました。世代別でみても、「健康に悪そう」「衣類等に煙の臭いがつく」などネガティブなイメージを選択する方が多くいました。
タバコのイメージで「かっこいい」の選択は20歳未満で4票、20代で88票、30代で89票、40代で64票、50代で36票、60代で12票、70歳以上で10票でした。近年喫煙者が減っている傾向がありますが、タバコに対して「かっこいい」イメージを持つ若年者層もいらっしゃいました。

未婚またはパートナーがいない方に伺います。パートナーを選ぶ際に喫煙状況について条件はありますか

全体

どちらでも良い・気にしない
…30%
喫煙者を好む
…3%
非喫煙者を好む
…67%

世代別

※グラフをタップすると別ウィンドウで開きます

どの世代でもタバコを吸わない人を好む傾向が強い

タバコのイメージがネガティブな回答が多い影響もあってか、「非喫煙者(タバコを吸わない人)を好む」という回答が1,476票(67%)という結果でした。「どちらでも良い・気にしない」の回答は669票で全体の30%という結果となりました。「喫煙者を好む」の回答は56票で全体の3%という結果になりました。20代から60代まで年齢層が上がるに連れて「どちらでも良い・気にしない」を選択する割合が少しずつ増えていますが、どの世代でも「非喫煙者(タバコを吸わない人)を好む」を選択いている人が圧倒的に多く、パートナーを選ぶ際の喫煙条件に世代間での違いはほとんどありませんでした。

飲食店で喫煙スペースに近い席に案内された場合の対応について該当する項目を選択してください

※グラフをタップすると別ウィンドウで開きます

「席を変えてもらう」「違う店に行く」の傾向が強い

全体でみると「席を変えてもらうようお願いする」が1,129票、「気にせずそのままその席に座る」が1,238票、「気にするがあきらめてその席に座る」が1,137票、「店を出る(違う店に行く)」が244票で「店を出る(違う店に行く)」以外の回答はほぼ均等に分かれる結果となりました。
世代別でみると年代が上がるほど「席を変えてもらうようお願いする」「店を出る(違う店に行く)」と回答する割合が増えています。

タスポを知っていますか

※グラフをタップすると別ウィンドウで開きます

「知ってる(使った事はない)」「知らない」が多い結果に

taspo(タスポ)は 20 歳未満の方の自動販売機からのたばこの購入防止の為導入された成人識別のための IC カードで、自動販売機でタバコを購入する際に使用するものです。2008年から運用していましたが2026年3月でtaspoサービスが終了することが決定しています。全体を通して「知っている(使った事がある)」と回答した方は721票で少ない結果となりました。またtaspo(タスポ)運用開始時に成人していた60代70代以上の層でも「知っている(使った事がある)」と回答した方は88票で「知ってる(使った事はない)」「知らない」と回答した方が大半となりました。

シーシャ(水タバコ)を吸ったことはありますか

※グラフをタップすると別ウィンドウで開きます

「知ってる(使った事はない)」「知らない」が多い結果に

シーシャは皿の上で燃やしたタバコの煙を「水パイプ」という専用の器具でろ過し、水パイプについている長いホースで吸う嗜好品です。
シーシャの歴史は古く15世紀頃、今のイランやインド北部の地方で発症したとされています。近年では日本でも、シーシャの認知度が高まっています。「吸ったことがある」と回答したのは20代30代が多く、若い世代で認知度が広がってきていることが分かります。

「子供がおつかいでタバコを買いに行く」と聞いて感じることを選択してください

そういう時代(子供が代理でタバコを買うことができる)もあったが今では考えられない
時代に関係なく、ありえない
何とも思わない
子供が代理でタバコを買うことができる時代に戻ってほしい
その他

今の考えでは信じられない光景かもしれない

「そういう時代(子供が代理でタバコを買うことができる)もあったが今では考えられない」が2,560票、「時代に関係なく、ありえない」が696票、「何とも思わない」が372票、「子供が代理でタバコを買うことができる時代に戻ってほしい」が97票、「他」が23票でした。「他」の意見としては、「法律違反。購入できない。」「親が買いに行けば良いのにと思います」「お手伝いの出来る子供がいる、コミュニケーションが取れている家族という印象」「お使いに行くことが悪い事ではないし、買う物によって区別する必要はない気もする。」などの意見がありました。

あなたの喫煙状況について該当する項目を選択してください

※グラフをタップすると別ウィンドウで開きます

世代問わずに喫煙者は少ない

全体でみると「喫煙習慣がある」が897票、「喫煙習慣なし(過去は吸っていた)」が840票、「喫煙習慣なし(過去も喫煙習慣無し)」が2,011票で、喫煙歴が一切ない人が多い結果となりました。世代別でみると20代30代は過去を含め喫煙歴一切無しの回答が圧倒的に多い結果でした。中高年者層でも喫煙者より、非喫煙者数の割合が多く、また「喫煙習慣なし(過去は吸っていた)」を選択する方が多くいらっしゃいました。

【喫煙習慣がある】を選択した方

Q.日常的に喫煙しているタバコの種類を選択してください(複数回答可)

※グラフをタップすると別ウィンドウで開きます

全体でみると「紙たばこ」が445票、紙たばこと電子タバコなど複数の種類を「併用」しているとの回答が205票、「加熱式タバコ」が197票、「電子タバコ」が40票、「葉巻」が2票でした。2014年頃から発売している加熱式タバコや電子タバコを吸う人を見かける事が多くなりましたが、紙たばこを愛用する方が多いようです。世代別でみても、どの世代でも紙たばこのみを愛用している方多い結果となりました。

Q.タバコを吸い始めた理由を選択してください(複数回答可)

※グラフをタップすると別ウィンドウで開きます

全体でみると「興味があったから」が461票、「周りに吸っている人が多いから」が409票、「喫煙する空間が身近にあったので」が292票と続きました。世代別でみても「興味があったから」「周りに吸っている人が多いから」の回答が多く世代差はありませんでした。その他の意見としては、「なんとなく」「暇つぶし」「ストレス解消」「美味しいから」等がありました。

Q.最長でつづいた禁煙期間をお答えください

※グラフをタップすると別ウィンドウで開きます

全体でみると「禁煙した事は無い」が322票、「3ヵ月未満」が235票、「3年以上」が109票と続きました。喫煙者全体のうち63%(552票)の方はこれまでに禁煙に挑戦をした事があり、禁煙に興味関心があることがわかる結果となりました。各世代別でみても禁煙を試みた経験がある割合が高く、全世代を通して禁煙に対する興味関心があることが伺えます。

Q.喫煙習慣を継続できないと感じるタバコ一箱分の金額を選択してください

※グラフをタップすると別ウィンドウで開きます

2023年現在の紙たばこの平均価格は550円です。全体でみると「一箱1,000円以上」が364票、「一箱600円以上」が166票、「一箱700円以上」が107票と続きました。また「いくらになっても喫煙を継続する」は29票でした。世代別でみても「一箱1,000円以上」と回答する方が多い傾向で、1,000円という切りの良い金額をポイントとしている方が多いようです。

【喫煙習慣なし(過去は吸っていた)】を選択した方

Q.禁煙をしてどのくらいの期間が経ちますか

※グラフをタップすると別ウィンドウで開きます

全体でみると「3年以上」が699票で、多くの方が長期にわたり禁煙を継続出来ていることがわかりました。つぎに多いのが「1年以上2年未満」で40票、「2年以上3年未満」が31票という結果でした。また世代別でみても「3年以上」と回答している方が多い結果となりました。世代を問わず禁煙している人は長期にわたって継続出来ていることが分かりました。

Q.どのような方法で禁煙を成功しましたか(複数回答可)

※グラフをタップすると別ウィンドウで開きます

全体で「強い意志」が453票で最も多い回答でした。「禁煙外来の受診」は44票、「タバコ代用品の使用(飴や禁煙パイプ)」は43票、「喫煙者がいる場所を避ける」は16票でした。「他」の回答としては「妊娠」や「生活環境の変化」、「体質の変化」等の回答がありました。また、近年のタバコ増税の影響か「購入できない」の回答もありました。

Q.禁煙を決意した一番の理由を選択してください

※グラフをタップすると別ウィンドウで開きます

「健康に良くないから」の回答が圧倒的に多く全体で292票でした。特に40代以上の年齢層の方多くこの回答を選択しています。次いで「タバコの値段が高い」が147票、「特に理由は無い」が54票でした。「他」の回答では、妊娠や自身の病気、体質の変化等の回答が多くありました。また「子供に怒られた」や「近親者の死や病気」と回答した方もいらっしゃいました。

【喫煙習慣なし(過去も喫煙習慣無し)】を選択した方

Q.タバコを吸わない理由を選択してください(複数回答可)

※グラフをタップすると別ウィンドウで開きます

全体でみると「吸いたいと思わないから」の回答が一番多く1,477票でした。次いで「健康に良くないから」が1,472票、「お金がもったいないから」が1,114票でした。世代別でみると20代未満、20代では「健康に良くないから」を選択している方が最も多くいました。30代以上の年代では「吸いたいと思わないから」を選択している方が最も多く、そもそも喫煙に対して興味が無いという方が多い結果となりました。「他」を選択した方の中には「ヘビースモーカーの近親者が肺がんで亡くなったから」「ダサいから」「喫煙者のマナーが悪いから」「喫煙するメリットがない」等、タバコや喫煙に対して良いイメージが無いようです。

喫煙環境の変化と共に変わったタバコのイメージ

紙たばこが日本に登場したのは明治(1868〜1912年)時代と言われています。
日本たばこ産業(JT)が行っている「全国たばこ喫煙者率調査」によると喫煙者率のピークは1966年(昭和41年)で男性の喫煙率が83.7%と高い喫煙率でした。
ところが分煙、増税や健康増進法の制定など、喫煙者を取り巻く環境は少しずつ変化してきました。

2018年にJTが行った全国たばこ喫煙者率調査の結果では男性27.8%、女性8.7%(男女計17.9%)で喫煙者率のピーク1966(昭和41)年頃からみると喫煙者は三分の一に減っています。
※1966(昭和41)年喫煙者率:男性 83.7% / 女性 18.0%

昭和時代のテレビやドラマ、映画では喫煙するシーンがよくあり、それがかっこよく描かれていました。そういった姿を見て憧れをもつ若者も多かったと思います。しかし、今回のアンケートでタバコに対するイメージは老若男女問わずネガティブなイメージを回答する人が多くいらっしゃいました。

喫煙者の減少と共にタバコに対するイメージも大きく変化していることがわかりました。これからも喫煙者と非喫煙者、共に快適に過ごせるような環境づくりが必要に思います。

たばこイメージ