コロナ禍におけるストレス変化に関する

アンケート
結果発表

2019年12月に初症例が確認されてから2年が経ち「withコロナ」という新しいライフスタイルを確立しつつあります。
しかし、表面的な良い方向への変化とは裏腹に、新型コロナウイルスは生活環境の変化を強いることで、
私たちのストレスに大きな影響を与えているのではないかと想定されます。
2022年4月に実施したアンケートで、新型コロナ流行前と流行後でストレス状況にどのような変化があるのかを調査いたしました。

調査概要

調査内容
コロナ禍におけるストレス変化についての調査
実施対象
V-NET会員とアンケートモニターサイト閲覧の非会員の方
実施方法
V-NET会員への告知とアンケートモニターサイトへの掲載
実施期間
2022年3月16日(水)~4月17日(日)
有効回答数
4,331票(男性2,216名、女性2,115名、12~87歳 平均年齢43歳)

アンケート結果の分析・考察

新型コロナウイルス【流行前】と【流行後】の、他者との接触頻度についてご回答ください

※他者との接触…同居家族以外の方と同じ空間で15分以上一緒に過ごす状態

他者との接触頻度(全体)

流行前
流行後

他者との接触頻度(同居/一人暮らし・男/女)

1人暮らし

毎日 週に6日 週に5日 週に4日 週に3日 週に2日 週に1日 月に2.3日 月に1日 月に0日
流行前 344 121 214 53 59 64 61 56 19 34
流行後 172 64 182 81 97 92 103 97 72 65
流行前 流行後
毎日 344 172
週に6日 121 64
週に5日 214 182
週に4日 53 81
週に3日 59 97
週に2日 64 92
週に1日 61 103
月に2.3日 56 97
月に1日 19 72
月に0日 34 65

同居

毎日 週に6日 週に5日 週に4日 週に3日 週に2日 週に1日 月に2.3日 月に1日 月に0日
流行前 1024 342 618 224 246 218 225 210 108 91
流行後 512 187 569 197 288 327 331 331 307 257
流行前 流行後
毎日 1024 512
週に6日 342 187
週に5日 618 569
週に4日 224 197
週に3日 246 288
週に2日 218 327
週に1日 225 331
月に2.3日 210 331
月に1日 108 307
月に0日 91 257

男性

毎日 週に6日 週に5日 週に4日 週に3日 週に2日 週に1日 月に2.3日 月に1日 月に0日
流行前 730 230 415 135 150 157 143 137 50 69
流行後 398 122 374 129 193 233 223 217 171 156
流行前 流行後
毎日 730 398
週に6日 230 122
週に5日 415 374
週に4日 135 129
週に3日 150 193
週に2日 157 233
週に1日 143 223
月に2.3日 137 217
月に1日 50 171
月に0日 69 156

女性

毎日 週に6日 週に5日 週に4日 週に3日 週に2日 週に1日 月に2.3日 月に1日 月に0日
流行前 638 233 417 142 155 125 143 129 77 56
流行後 286 129 377 377 192 186 211 211 208 166
流行前 流行後
毎日 638 286
週に6日 233 129
週に5日 417 377
週に4日 142 377
週に3日 155 192
週に2日 125 186
週に1日 143 211
月に2.3日 129 211
月に1日 77 208
月に0日 56 166

幅広い層に行動変化がみられる

他者との接触が【毎日】ある方はコロナ流行前1,368票からコロナ流行後684票で約半数となっています。他者との接触が【月に0日】の方はコロナ流行前125票からコロナ流行後322票で約2.6倍増えています。
また男女別や同居・一人暮らし別の他者との接触頻度を見ても流行前と流行後では接触頻度を控えている様子をうかがえます。
幅広い層に行動変化があった事がわかります。

新型コロナウイルス流行の影響で【家族/学校や職場/友人/パートナー】に対して感じるストレスに変化はありますか

増えた
流行前と変わらない
減った

流行前後にストレス量に変化は無いと感じている方が多い結果に

ストレス量が増えたと答えた人が一番多かったのが学校や職場1,696票でした。また、ストレス量が減ったと答えた人が一番多かったのも学校や職場295票でした。
しかし、全体を通してコロナ流行前と流行後にストレス量に変化は無いと感じている方が多い結果になりました。

新型コロナウイルス流行の影響で増えたと感じるストレスはありますか

家族

生活環境・生活リズムの変化 272
外出制限 182
感染リスクの不安 172
家事・育児・介護 113
感染予防対策 111
感染予防意識の違い 106
干渉・強要 40
接触機会の減少 38
金銭 22
31

学校や職場

感染予防対策 578
コミュニケーション 341
感染リスクの不安 329
環境・仕様の変化 247
感染予防意識の違い 179
金銭 81
干渉・強要 59
行事・イベントの縮小 39
漠然とした不安・イライラ 36
32

友人

接触機会の減少 425
感染予防意識の違い 175
感染リスクの不安 96
コミュニケーション 24
干渉・強要 11
漠然とした不安・イライラ 7
24

パートナー

接触機会が増えた 80
感染予防意識の違い 74
接触機会減 61
感染リスクの不安 60
家事・育児・介護 47
態度・言動 43
外出制限 40
感染予防対策 34
漠然とした不安・イライラ 33
干渉・強要 13
金銭 10
生活環境・生活リズムの変化 10
会話が減った 5
21

家族に対して増えたと感じるストレス

リモートワークや外出制限の影響で生活スタイルにも変化があり、自分だけの時間を持てないストレスを抱えている方が多いという結果になりました。また、外出しづらい環境への苛立ち、同居している家族が「感染するかもしれない」「感染させてしまうかもしれない」と不安を感じている方も多いようです。

【 回答者の声 】
・一緒にいる時間が増えてケンカが多くなった。食事の用意も大変になった(54歳女性)
・外出自粛やリモートワーク、オンライン授業等でずっと家にいる時間が増えて昼食も準備しないといけない等、その分イライラする事も増えた(40歳女性)
・完全在宅勤務となり「家にいるんだから」と家事を行う事が増えた事(59歳男性)
・テレワークで家に人がいる状態が増え、電話の声がうるさく感じる(25歳男性)
・リモートで家にいる旦那が少しでも音を立てるとうるさい(45歳女性)
・ワクチンを打てと毎日言われる(23歳女性)

学校や職場に対して増えたと感じるストレス

マスク着用や、こまめな消毒・換気などの感染予防対策にストレスを感じている方が多くいました。またリモートワーク等になりコミュニケーションがとりづらい、仕事上の関係を築きにくいという声がありました。

【 回答者の声 】
・体温を計ったり消毒を何回もしたりワクチン接種の証明を提出しなければいけない(40歳女性)
・マスクを着用している為聞き取りにくい事が増えた(32歳男性)
・濃厚接触による自宅待機期間で給料が減少した(28歳男性)
・他人の咳やくしゃみに過敏に反応してしまう(40歳女性)
・職場の人とご飯に行ったらいけない(29歳女性)

友人に対して増えたと感じるストレス

外出制限に伴い、友人と会う機会も減ったため、会えないことへの不安・ストレスを感じている方多い結果となりました。また、新型コロナウイルスに対する認識、予防の程度には個人差があるため、考え方や認識の違いに不安を覚える方が多くいました。

【 回答者の声 】
・コロナに感染していないだろうかと疑うようになった(71歳男性)
・飲み会ができなくて、疎遠になっていく不安を感じる(63歳男性)
・友人が手指消毒が甘いと不安になった(27歳女性)
・コロナを極度に気にする人と、そうでない人がいるので、どちらなのかな?と考えることが少しだけ増えた(26歳女性)

パートナーに対して増えたと感じるストレス

友人とは異なり気軽に会うことができるパートナーに対しては、接触する機会が増えた事で衝突が増えストレスを感じている方が多くいました。また、相手の言動に対して不満を抱く声や理由も無くイライラするという声もありました。

【 回答者の声 】
・経済的なことが原因で喧嘩が増えた(47歳女性)
・家事にいちいち口出ししてうるさくて仕方ない(73歳女性)
・会話がなくなった(51歳男性)
・妻が自分のイライラをぶつけてくる(48歳男性)
・デートをしてもあまり遠くの場所には行けないし、人気のスポットは人が多く一緒に出かけることが減った(21歳女性)
・会えなくなって喧嘩が増えた(41歳女性)

ストレス軽減の為にした行動はありますか

家族

無し 263
感染予防対策の徹底 151
運動 130
ひとりの時間 126
趣味・娯楽 123
外出 65
食事を楽しむ 52
話合う 34
お酒をのむ 29
外部サービスの活用 26
快適な環境づくり 32
睡眠 17
気にしない 17
オンラインの活用 16
協力してもらう 16
掃除 9
喫煙 4
離婚 2
引っ越し 1
29

学校や職場

感染予防対策の徹底 286
働き方を変える 130
趣味・娯楽 111
運動 74
話合う 62
食事を楽しむ 55
我慢 54
気にしない 46
距離を置く 31
お酒を飲む 29
ひとりの時間 25
睡眠 22
外出 19
注意・お願いをする 17
入浴 9
仕事に没頭する 7
自宅時間を充実させる 9
医療機関受診 9
36

友人

オンラインの活用 167
距離を置く 163
感染予防対策の徹底 57
お酒を飲む 31
趣味・娯楽 25
運動 23
ひとりの時間 16
気にしない 12
我慢 11
食事を楽しむ 9
注意・お願いをする 7
話合う 5
睡眠 4
35

パートナー

無し 136
距離を置く 61
感染予防対策の徹底 40
趣味・娯楽 36
話合う 29
オンラインの活用 27
ひとりの時間 23
注意・お願いをする 22
快適な環境づくり 22
運動 19
外出 19
我慢 15
離別 13
気にしない 11
食事を楽しむ 8
お酒をのむ 4
仕事に没頭する 4
22

家族から感じるストレスへの対策

ストレスに対して「何もしていない/無し」と答える方が最も多い結果でした。また、出来る対策を徹底的にして不安やストレスを回避している方も多いようです。ストレス緩和の為、運動をしていると答えた方は個人で出来る筋トレやランニングを上げている方が多く、感染対策をしつつ行動されていることが伺える結果でした。

【 回答者の声 】
・とにかく美味しいものをたべて寝る(43歳女性)
・ヨガや家の片付け、自炊の頻度を増やしてみた(26歳女性)
・室内でできる筋トレやサイクリングマシンなどで体を動かしてストレスを発散(32歳男性)
・別の部屋で過ごしてなるべく同じ空間にいないようにしました(45歳女性)

学校や職場から感じるストレスへの対策

前設問でストレスに感じていることが「感染予防対策」と答えている方が最も多い結果でしたが、ストレス緩和の為に行動していることが「感染予防対策の徹底」と答えている方が最も多い結果でした。学校や職場は日常を過ごす場所であるからこそ感染予防対策を徹底して、感染リスクの不安を回避しているのかもしれません。

【 回答者の声 】
・必要以上に話をしない(28歳女性)
・テレワークを可能な限り増やして、職場への出勤回数を減らす行動をしている(44歳男性)
・手洗いやソーシャルディスタンスなどの基本的な感染対策(39歳女性)
・通勤電車を遅らせてあまり人のいない時間帯の電車に乗ること(27歳女性)
・給料が下がった分バイトをした(33歳女性)

友人から感じるストレスへの対策

前設問での回答が「接触機会が減った」「感染予防意識の違い」多かった影響か、その対策として「オンラインの活用」や「距離を置く」と答えた方が多くいました。また、友人と会う機会を減った影響か、お酒や食事を楽しむ等お家での時間を大切にしているとの回答が多くみられました。

【 回答者の声 】
・オンラインでのコミュニケーションをするようになりました(65歳男性)
・対面を避けてオンラインや電話で会話する(69歳女性)
・オンラインゲームなどを始めた(23歳男性)
・ジョギングや散歩等、個人でできるストレス対策をする機会が増えた(39歳男性)
・考えの違う友人とは直接会う機会を減らした(38歳女性)

パートナーから感じるストレスへの対策

家族同様、ストレスに対して「何もしていない/無し」と答える方が最も多い結果でした。また、相手と距離を置いてストレスを増やさないようにしているという声も多くありました。13票ではありますが、離婚や別れをした方もいました。

【 回答者の声 】
・何も言わずに出かけて友達とランチ(45歳女性)
・LINEやメールで連絡しあった(39歳男性)
・気を付けるよう頼んだ(46歳女性)
・一緒にいる時間を減らす(71歳女性)
・会う時は家であったり人が少ない場所でも楽しめる隠れ家的ご飯屋さんを探したりした(21歳女性)
・感染者が多い時はなるべくお家で過ごしてほしいとお願いしたり、常に話し合いをしています(34歳女性)

新型コロナウイルス流行の影響で減ったと感じるストレスはありますか

家族

コミュニケーション 45
時間 15
家事・育児・介護 5
金銭 2
無し 2
11

学校や職場

人間関係 155
通勤 64
作業効率 50
離職した為ストレス自体が無くなった 16
感染リスク 9
人の顔色 9
睡眠 3
無し 2
金銭 2
11

友人

人間関係 181
気遣い 8
金銭 6
時間 4
6

パートナー

接触機会が増えた 32
家事・育児・介護 6
離別 2
時間 3
14

家族に対して減ったストレス

「一緒に過ごす時間が増えてすれ違いが減った」や「親戚づきあいが減った為」等、身近な方とのコミュニケーションに関する回答が多くありました。また、生活環境が変わった影響で時間に余裕が出来た、家事や育児を分担して出来るようになった等の声がありました。

【 回答者の声 】
・在宅が増えたのでコミュニケーションが増えた(53歳男性)
・親戚付き合いが減った(32歳女性)
・保育園の送迎と通勤という移動に疲れていたが、在宅勤務ができるようになり、保育園の送迎だけで済む日があるのでとても楽になった(40歳女性)
・家にいる時間が長くなり、お互いの理解が深まったので、全体的にストレスが減った(42歳男性)
・仕事や飲み会からパートナーがいつ帰ってくるかわからない不安からのストレスが減りました(29歳女性)

学校や職場に対して減ったストレス

直接会う事が減った影響でストレスも減ったと答える方が多くいました。また働き方が変わった影響か、通勤時間が無くなった、作業効率が上がった、睡眠時間が増えたなど時間的に余裕が出来たと答える方もいました。

【 回答者の声 】
・通勤のストレスがなくなり、フリーデスクの場所取りがなくなった(53歳女性)
・在宅ワークが増えたため、苦手な同僚と顔を合わせることが減った(28歳女性)
・学校など意味のない会議やPTA活動が軽減された(48歳女性)
・不必要なコミュニケーションが減った(47歳男性)
・飲み会などの面倒な付き合いの減少、リモートワークで通勤時間が無くなった(39歳男性)

友人に対して減ったストレス

直接会う機会が減った影響で「無理な付き合いが減った」「人間関係の断捨離ができた」等、人間関係が良好になったと答える方が多くいました。また、付き合いでの外出が減って金銭負担が減ったと答える方もいました。

【 回答者の声 】
・会う機会が減ったので気を遣わないで済む(56歳男性)
・無理に会わなくてよくなった、飲み会が断りやすくなった(33歳女性)
・約束事が減った分、会う時に新鮮に感じる事で会うストレスが減った(26歳男性)
・誘われてもコロナがあるからと言い訳をして無理に遊ばなくてよくなった(21歳女性)
・会う頻度が激減したため、金銭を遣う機会が減ったこと(60歳女性)

パートナーに対して減ったストレス

パートナーに対して増えたストレスで最も多い回答が「接触機会が増えた」でしたが、減ったストレスも「接触機会が増えた」と答える方が最も多い結果でした。また、家事や育児を分担できるようになり、ストレスが軽減されたと回答される方もいました。

【 回答者の声 】
・会話が増えて、仲が良くなりました(32歳男性)
・一緒にいてくれることが嬉しい(26歳女性)
・家事育児への協力が増え助かります(27歳女性)
・夜遅くに帰宅した時の食事の準備や後片付けのストレスが減った(53歳女性)
・お互いに健康であることのありがたさが、身にしみて感じるようになりました(58歳女性)

ストレスと向き合い、自分を大切に

新型コロナウイルス流行前と流行後では、ストレス量に変化は無いと感じている方が最も多い結果とはなりましたが、一方で新型コロナウイルス流行以降、「減ったストレス」よりも「増えたストレス」の方が多いことも確かです。 また、1日の大半を過ごす学校や職場に対してのストレスが多い事がわかりました。新型コロナウイルス流行に伴い、在宅勤務やリモートでの授業が増え、学校や職場へ行く事自体は減っていますが、仕様の変更やコミュニケーションの取りづらさに伴うストレス、附随して家族やパートナーにストレスが影響していると思われます。 また、そのストレスを軽減するための行動を十分に出来ていない方も多くおり、心理的負担が懸念されます。

ストレスはたまりすぎると自律神経の働きやホルモンバランスに影響を及ぼします。また、免疫力が低下して病気がち、気分が落ち込みやすい等、心理的負担はもちろん身体的に負担を及ぼす可能性があります。 本アンケートを通じて、自身のストレスと向き合うきっかけとしていただければ幸いです。