ドライアイは目の不調によって、生活の質を損なう眼疾患です。症状が軽度な期間は、目の不調も目薬で軽減できるものの、眼科の治療を受けないで放置すると悪化することもあります。ドライアイには大きく分けて3つの分類があり、涙の量を補うための治療と涙の質を改善するための治療など分類や症状に合わせた治療を行うことが必要です。
ドライアイの分類によって治療法は異なる
ドライアイには、下記の分類があります。
- 涙液減少型ドライアイ
- 涙液蒸発亢進型ドライアイ(マイボーム腺機能不全)
- BUT短縮型ドライアイ
上記以外にも、自己免疫疾患の症状としてドライアイを発症している場合もあります。目の表面には、外側から油層、水層、ムチン層の3つの涙の層があります。どの層が原因でドライアイを発症しているのかも、治療するにあたって重要な要素となります。
ドライアイの治療には、ドライアイを引き起こした原因や生活環境をしっかり把握することも重要です。
ドライアイの治療
ドライアイの治療は、外から涙を補う人工涙液やヒアルロン酸製剤を含む点目薬が主流でしたが、内側から涙を分泌させるための点眼薬も出てきました。ドライアイの症状が重い場合には、自身の体から涙に必要な栄養素を補うための自己血清点眼療法を用いる場合もあります。
ドライアイの治療は、下記のものがあります。
- 点眼療法
- 涙点閉鎖(涙点プラグ)
- 自己血清点眼療法
- IPL治療
ドライアイの治療以外にも、生活環境の中でドライアイの要因となるものを避けるなどして症状を悪化させないことも重要です。
ドライアイを悪化させる要因を避けることも大切
ドライアイの治療には、点眼薬や涙点プラグ、自己血清点眼療法などありますが、日常生活の中でドライアイを悪化させる行為を避けることも大切です。
ドライアイを悪化させる要因は下記のものです。
- エアコン
- スマートフォンやパソコンの長時間利用
- コンタクトレンズ
外気が乾燥しやすい冬の時期は、肌と同じように目も乾燥しドライアイを悪化させる要因にもなります。その他、エアコンの風が直接あたる場所に長時間いるのも避けましょう。
スマートフォンやパソコンの長時間利用は、まばたきの回数を減少させます。まばたきの減少はドライアイにつながるので、画面に集中しすぎないためにも適度に休憩を取り、画面から目を離す工夫をしましょう。
また、ソフトコンタクトレンズはレンズ自体が水分を吸収しやすく涙が蒸発してしまうリスクがあります。コンタクトレンズは、外出時だけ使用し家では眼鏡で過ごす工夫が必要です。
これら以外にも、不規則な生活やストレスによって自律神経が乱れると交感神経が優位になり、涙の分泌量が減少することでドライアイを悪化させてしまうこともあります。
ドライアイの治療は自己判断で行わないことが重要
ドライアイの症状が軽度の間は、目薬の使用で症状が軽減することがあります。ただし、眼科的治療をしないことで、悪化することも考えられます。
目の不調を感じるようになった場合は、眼科を受診し、症状に応じた適切な治療を受けるようにしましょう。
ドライアイの治療一覧
点眼療法
主な点眼薬は人工涙液点眼薬,ヒアルロン酸ナトリウム点眼薬,ジクアホソルナトリウム点眼薬,レバミピド点眼薬,アジマイシン点眼液などの点眼液が治療で用いられます。症状によって何種類かの点眼液を使い分けるケースもあります。
涙点閉鎖(涙点プラグ)
涙が鼻から抜けるのを防ぐために、目頭の涙点をシリコンやコラーゲンなどの涙点プラグで詰める治療方法です。
自己血清点眼療法
点眼液や涙点閉鎖を用いてもドライアイの症状が軽減しない場合には、涙の量が不足しているだけではなく涙に必要な栄養分が足りていない場合があります。この場合、自己血清点眼療法を行うケースがあります。
IPL治療
なんらかの原因によってマイボーム腺が詰まると油層が分泌されづらくなり、目の渇きが起こりやすくなってしまう原因をIPL治療で定期的に実施します。