- 薬物療法
- うつ病の治療には神経伝達物質の働きを強める抗うつ薬や、症状にあわせて睡眠薬や抗不安薬を使用して治療します。
抗うつ薬の種類
うつ病の治療には神経伝達物質の働きを強める抗うつ薬が使用されています。
- 「SSRI」
セロトニンの働きを強める薬 - 「SNRI」
セロトニン・ノルアドレナリンの働きを強める薬 - 「NaSSA」
「SSRI」「SNRI」と異なる仕組みでセロトニン・ノルアドレナリンの働きを強める薬 - 「三環系抗うつ薬」
セロトニン・ノルアドレナリンの働きを強める薬。上記3種類の薬剤が効かなかった場合に用いるが副作用が強い - 「四環系抗うつ薬」
「三環系抗うつ薬」の副作用を少なくした薬
現在よく選ばれているのが「SSRI」「SNRI」「NaSSA」です。
その他トラゾドンやスルピリドといった抗うつ薬もあります。
- 参考資料
- 野村総一郎監修「うつ病のことがよくわかる本」P90 2016年
抗うつ薬使用の服用方法
抗うつ薬は一般的に、飲み始めてすぐに効果が出ることはなく、効果が出るまでに2週間~1ヶ月程度かかるといわれています。
薬剤の使用中に症状が改善されることもありますが、自己判断で量を減らしたり中断すると症状が再び重くなったり、吐き気やめまい、手足のしびれといった「抗うつ薬中断症候群」と呼ばれる不調が出てしまう可能性があります。抗うつ薬は患者の症状に合わせて量を調整しながら処方されるので必ず主治医の指示通り服薬が必要です。
一定期間服用して症状の改善がみられなかったり、強い副作用が出た場合は別の抗うつ薬に切り替えながら治療を続けます。
喫煙や飲酒をすると効果を妨げるので控える必要があります。
抗うつ薬以外の治療薬
うつ病の治療では症状に合わせて抗うつ薬とあわせて他の薬剤を併用する場合もあります。
たとえば、不眠症状が出ている方は睡眠薬、悲しみや不安の気持ちが出ている方は抗不安薬、幻覚や妄想症状があったり、重度の方には抗精神病薬が処方されます。