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RSウイルス感染症の検査目的と種類

RSウイルス感染症は、乳幼児や高齢者において重症化しやすい呼吸器感染症です。そして、RSウイルス検査は感染の有無や重症度を確認し、適切な治療を受けるのに重要です。

RSウイルス検査とは何か?その目的と重要性

RSウイルス検査は、以下の内容を判断するために行われます。

  • 感染の有無
  • 適切な治療方法
  • 重症度
  • 入院治療の必要性
  • 感染対策の検討
  • 流行状況の把握

特にRSウイルス感染症は乳幼児で重症化しやすいため、早期発見と適切な治療が重要です。

RSウイルス検査の種類

抗原検査

鼻腔や咽頭から採取した検体から、RSウイルスの抗原(ウイルスタンパク質)を検出する検査方法があります。この方法は、検査結果が比較的早く(30分程度)分かるため、スクリーニング検査として広く用いられています。
しかし、PCR検査と比較すると感度が低く、偽陰性のリスクがあります。そのため、陰性の場合は確定診断とはならず、追加でPCR検査を受けて確定診断を行う必要があります。

RT-PCR検査

RT-PCR検査(リバーストランスクリプションポリメラーゼ連鎖反応)は、遺伝子の検出や増幅を行うための分子生物学的手法の一つです。この検査は、特定の遺伝子やウイルスRNAを検出するために使用され、感染症の診断やウイルスの迅速な検出に広く用いられます。
PCR検査は非常に感度が高く(約70%)、ウイルスの存在を非常に微量から検出することができるため、感染者の早期発見や感染拡大の抑制に役立ちます。
しかし、陽性率が70%ということは、残りの30%の感染者は検査で陰性を示し、見逃されている可能性があることを意味します。検査結果に100%の診断はないため、検査時の症状と合わせて、医師に総合的に診断してもらうことが大切です。

その他の検査方法

RSウイルス(RSV)の血清検査は、補体結合試験(CF法)や中和試験(NT法)によって行われます。抗原検査やPCR検査が唾液や鼻水を検体とするのに対し、CF法やNT法は採血した血液を検体としてRSウイルス感染症の有無を特定します。
検査結果は補体結合試験(CF法)で「4〜6日」、中和試験(NT法)で「6〜11日」です。
鼻の中に綿棒を入れる抗原検査やPCR検査が苦手な方や、検査結果が出るまでに時間がかかってもよい方に向いている検査と言えます。
CF法は特定の抗原に対する抗体の存在を検出する実験で、患者の血清中の抗体が特定の抗原とどの程度結合するかを測定します。抗原抗体反応が起こるものであれば全て検査対象にできます。
一方、NT法はウイルス感染を評価するための実験手法で、患者の血清中の抗体が特定のウイルスに対してどの程度中和作用を持つかを測定します。検査感度が高いため、CF法よりも検査期間の幅を持てる(感染初期から後期まで対応できる)利点があります。

RSウイルス検査の対象者

発熱や呼吸器症状など、RSウイルス感染が疑われる症状がある場合は、確定診断のために検査を受けることが推奨されます。症状の程度に応じて、抗原検査やPCR検査などの検査方法が選択されます。
特に乳幼児、特に生後6か月未満の赤ちゃんや基礎疾患のある方がRSウイルス感染症にかかると重症化のリスクが高まります。さらに、生後6ヶ月の赤ちゃんがいる場合は、家族も検査した方が良いケースがあります。家族内での感染拡大を防ぐためにも、家族全員が感染の有無を確認し、必要な対策を講じることが重要です。

RSウイルス検査の適切な時期と検査の流れ

RSウイルス感染症が疑われる場合、適切なタイミングで検査を受けることが重要です。検査の時期を逃すと、正しい結果が得られない可能性があるため、注意が必要です。

発症と検査時期

RSウイルス感染症の検査は、発症から3〜5日以内が適期とされています。この時期を過ぎるとウイルス量が減少し、偽陰性となるリスクが高くなります。
症状が改善しても完全に陰性化(排菌)するまでに3〜4週間かかる場合があるため、発症から時間が経過しているなら検査結果の解釈が難しくなります。

検査の手順と所要時間

まず、医療機関を受診し、問診と症状の確認が行われます。その後、鼻腔や咽頭から検体を採取します。抗原検査は30分程度、PCR検査は1時間程度かかります。
検査結果が陰性の場合でも、症状の経過に応じて再検査が必要となる場合もあります。

RSウィルスの検査に関する質問

質問①:RSウイルスの検査はいつ受けるべきでしょうか?

RSウイルスの検査は、典型的な症状が現れた場合に受けることが推奨されます。
具体的な症状として、発熱や鼻水などの風邪症状が数日続いた後、喘鳴(ゼーゼー呼吸)や呼吸困難などの下気道症状の出現などが挙げられます。
特に乳幼児や基礎疾患のある方は重症化リスクが高いため、早期に検査を受けることが大切です。

質問②:RSウイルスの検査は乳幼児や高齢者でも受けられますか?

はい、RSウイルスの検査は年齢に関係なく受けられます。
実際、乳幼児や高齢者はRSウイルス感染症で重症化しやすいハイリスク群であるため、検査を受けることが推奨されています。
乳幼児や高齢者の場合、検査で陽性が確認されれば、入院加療を含めた適切な治療が検討されます。RSウイルス感染症は、特に慢性呼吸器疾患等の基礎疾患を有する高齢者において、急性の重症肺炎を起こす原因となり得るため、疑わしい症状が見られた際には検査を受ける必要があります。
また、すでにRSウイルス感染症の疑いで入院中の患者や乳児(1歳未満)に限り、保険適用となる場合もあります。

質問③:RSウイルスの検査で陽性と判定された場合、どのような対応が必要ですか?

RSウイルスの検査で陽性と判定された場合、安静と経過観察が基本的な対応となります。そして、特効薬はないため、基本的には対症療法による治療が行われます。

まとめ:適切なタイミングでRSウイルス検査を受けることが大切

RSウイルス検査は、RSウイルス感染症の診断に使用されます。感染症の発症後、適切なタイミングで検査を受けることが重要であり、検査の手順や所要時間、そして検査結果の判断基準を理解することが大切です。
特に乳幼児や基礎疾患のある方は重症化しやすいため、早期に発見し、検査結果に基づいて適切な治療や管理を行う必要があります。

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