肥満症はただ体重が増える、体形が変化するということだけではなく、内臓脂肪が増えることで合併症を発症するリスクがあります。そのため、肥満症治療の第一選択は食事療法となります。
肥満症に対する食事療法は、体重を減らすことが目的ではなく、内臓脂肪を減らすことが目的です。肥満症は、高カロリーな食事や偏った食生活が積み重なって太りやすい環境を作り出し発症することもあるため、食事の見直しは不可欠といわれています。
食事量と血糖値のコントロール
食事療法では、内臓脂肪を減らすために食事量と血糖値のコントロールが重要です。
肥満症では、体重の3%を減らすことが最初の目標ですが、健康障害となる合併症の発症状況によって減量する割合が異なることがあるため、かかりつけの医師にしたがって食事療法を進めていきましょう。
食事療法では、内臓脂肪を減らすことが目的となるのはもちろんですが、現状よりも内臓脂肪を増やさないことも大切です。
血糖値が上がりやすい食事は、脂肪を溜め込みやすくするため太りやすくなります。食事量を減らしても、血糖値が上がりやすい食事をとっているとなかなか減量できないといったことがあります。
血糖値をコントロールするためのポイントは下記の4つです。
- 1日に必要な糖質量を知り取り入れる
- 低GI食品を積極的に摂取する
- 食べる順番を守る
- 食事のバランスと組み合わせを工夫する
血糖値が上昇すると血糖値を下げるためにインスリンが分泌されますが、エネルギーとして消費されなかった血糖は脂肪になり体内に蓄積されてしまいます。つまり、血糖値を上昇させない食事をとることが重要です。