- 糖尿病の現状
- 日本に住んでいる方で「糖尿病」という病気を知らない人はいないのではないでしょうか。
そのくらい「糖尿病」という病気は日本で有名な疾患であり、日本国民の関心の高い病気です。現代においては、糖尿病はすい臓から分泌されるインスリンの分泌不全、またはインスリンが十分に作用しないことが原因で引き起こされるということがわかっていますが、そのインスリンが発見されたのは1921年と、実は糖尿病の治療の歴史はまだ100年足らずなのです。
また、糖尿病という言葉は知っていても日本にどの程度の疾患者がいるのか、今後糖尿病はどのようになっていくのかについては知らない方も多いと思います。本ページではそんな糖尿病の現状について詳しく説明していきます。
糖尿病疾患者の人数
現在、日本中の糖尿病患者の数は1000万人を超えています。また糖尿病になる可能性のあるとされる糖尿病予備軍も1000万人を超えたと推測されており、全人口の15%以上が糖尿病及び糖尿病予備軍という状況です。
参考:厚生労働省の平成28年「国民健康・栄養調査」
治療を受けている人の数
糖尿病疾患者のうち、男性では約78%、女性では74%の人が現在糖尿病の治療を受けています。
言い換えると、4人に1人は糖尿病であるにも関わらず治療を受けていないことになります。
これは、糖尿病が発症初期の段階では症状が軽く、軽視されやすいためかもしれません。
ただし、糖尿病は一度発症すると治療することは不可能で、早期に適切な対処をしないと命に関わる状況にもなりかねないため現在未治療の糖尿病疾患者の方は一日でも早く治療を始めるべきです。
- 参考資料
- 平成28年国民健康・栄養調査結果の概要
糖尿病疾患者数の推移
糖尿病疾患者の数は年々増加しており、平成28年の時点で1000万人に達したと考えられています。
糖尿病疾患者が増加している背景には日本人の食生活の大半が欧米型になり、また食環境がより豊かになったことで、砂糖消費量の増加、食肉の消費量増加してきたこと、また生活の中で運動量が減り、ストレスが増大したことも糖尿病患者が増加してきたことの原因ではないかと考えられます。
日本の糖尿病疾患の今後の見通し
多くのメディアでは今後糖尿病の疾患者は増えていくと論じていますが、私は日本人の健康に対する意識の向上、健康に対する各種環境の改善により、徐々に糖尿病を発症する人の割合は減るのではないかと想定しています。
日本人の1人当たりの砂糖の消費量は1973年頃をピークに徐々に減少しており、世界的にも1人当たりの砂糖の消費量は少ない国となってきています。
また、日本人の肥満者の割合についても近年は徐々に改善されてきています。女性の肥満者の割合は平成14年をピークに下がり続けており、男性については平成18年まで増加傾向でしたが18年以降は減少に転じています。
肥満の最たる原因である砂糖の消費量が減り、糖尿病の原因である肥満が減少傾向にある為、糖尿病になる割合は今後徐々に減少していくのではないかと想定しています。
現に直近の糖尿病疾患者数推移の資料では、糖尿病疾患者の数こそ増加傾向にありますが、糖尿病予備群とされる人の数は平成19年をピークに減少に転じており、糖尿病患者と糖尿病予備群を足したトータル数でも減少に転じています。
ただし、現在の日本は超高齢化社会に急激な勢いで進んでいる為、人口に占める高齢者の割合は高くなっていくことから、人口に占める糖尿病疾患者の割合はプラス要因とマイナス要因が相殺されしばらく横ばい状態が続くのではないかと予想しています。
※本予想はあくまでもデータから見た筆者個人の予想であり、一般的な見識とは異なる場合があります。
世界の糖尿病患者
世界全体では糖尿病患者が4億人を超え11人に1人が糖尿病を発症していると発表(国際糖尿病連合)されています。
糖尿病の多い国は上から
- 中国
- インド
- アメリカ
- ブラジル
- インドネシア
となっています。
2025年には世界の糖尿病患者が7億人を超えるという予想もあり、糖尿病は今や世界的に深刻な病気になっています。