- 糖尿病治療中の栄養ドリンクやスポーツドリンクに関する考え方
- 糖質を含む栄養ドリンクやスポーツドリンクを飲むと、血糖値が上昇することがあります。糖尿病治療中の方は、商品に表示されている炭水化物・糖質量などを確認し、飲む量や頻度に注意しましょう。
この記事の監修者
八巻 孝之(やまき たかゆき)先生|外科医・医学博士(東北大学)
日本外科学会認定専門医・指導医/日本病院総合診療医学会認定医・指導医。国保丸森病院副院長、国立病院機構宮城病院 総合診療外科部長などを歴任。国立病院機構・各学会関連の治験・臨床試験への参加経験も豊富。
スポーツドリンクは糖質量を確認して利用しましょう
糖尿病治療中の日常の水分補給は、水や無糖のお茶などが基本です。近年の糖尿病診療では、糖分を含む飲料をできるだけ減らし、水などに置き換えることが勧められています。
スポーツドリンクや栄養ドリンクを利用する場合は、「なんとなく身体によさそう」というイメージで選ぶのではなく、パッケージの栄養成分表示を確認することが大切です。
スポーツドリンク
スポーツドリンクは飲みやすく作られているため、つい量を飲みすぎてしまいがちです。糖質を含むスポーツドリンクを多量に摂取すると、血糖管理に影響する可能性があります。日常的な水分補給として習慣的に飲むことは避け、水や無糖飲料を基本とするとよいでしょう。
なお、運動時の水分・糖質補給の方法は、運動の時間や強度、発汗量、血糖値、使用している糖尿病治療薬などによって異なります。運動習慣のある方は、自分に合った補給方法を主治医や管理栄養士に確認しておくと安心です。
購入時にチェックしたいポイントは次の2つです。
- 100mlあたりの炭水化物(糖質)量:栄養成分表示で確認できます。「カロリーが低め」に見えても、糖質を含む製品は少なくありません。
- 1本の内容量:実際に体に入る糖質量は「100mlあたりの量×飲む量」で決まります。500mlのペットボトルを飲み切れば、表示の5倍の糖質を摂ることになります。
栄養ドリンク・エナジードリンク
栄養ドリンクには糖質を多く含む製品もあるため、糖尿病治療中は栄養成分表示の確認が特に大切です。日常的な栄養補給を目的として使用したい場合には、本当に必要かどうかも含めて、医師や管理栄養士などに相談するとよいでしょう。
また、レッドブルやモンスターエナジーのようなエナジードリンクは、栄養ドリンクとは別物として考えましょう。糖質を多く含む製品があるほか、カフェインを多く含むものもあります。商品ごとの栄養成分やカフェイン量を確認し、習慣的な摂取には注意が必要です。
低血糖のときは例外です
ここまで「糖分を含む飲料は控えめに」と説明してきましたが、低血糖が起きた場合は例外です。低血糖時には、ブドウ糖や糖質を含む飲料などを用いて速やかに対処する必要があります。インスリンや低血糖を起こす可能性のある薬を使用している方は、あらかじめ低血糖時の対処方法について医療者から説明を受けておきましょう。
日常の飲み物の選び方Q&A
Q. ふだんの水分補給は何を飲めばいい?
A. 水や無糖のお茶が基本です。糖分を含む飲料は、できるだけ水や無糖の飲み物に置き換えることが勧められています。
Q. スポーツドリンクは絶対にダメ?
A. 一律に禁止というわけではありません。運動の強度や時間、血糖値、使用している薬によっては、糖質や電解質を含む飲料が必要になる場合もあります。自分に合った補給方法は、主治医や管理栄養士に確認しましょう。
Q. 栄養ドリンクを毎日飲む習慣があるのですが…
A. 糖質を多く含む製品もあるため、まず栄養成分表示を確認してください。日常的な栄養補給を目的とするなら、本当に必要かどうかも含めて医師や管理栄養士に相談するのがおすすめです。
まとめ
- 日常の水分補給は水や無糖のお茶が基本
- スポーツドリンクや栄養ドリンクは栄養成分表示(炭水化物・糖質量×内容量)を確認してから
- 栄養ドリンクとエナジードリンクは別物。カフェイン量にも注意
- 運動時の補給方法は人それぞれ。主治医や管理栄養士に確認を
- 低血糖のときは例外。速やかな糖質補給が必要
【監修医コメント】
糖尿病治療中の水分補給は、水や無糖のお茶などを基本とし、スポーツドリンクや栄養ドリンクを利用する場合には、栄養成分表示で炭水化物・糖質量や内容量を確認することが大切です。運動時の補給方法は、運動の強度や時間、血糖値、使用している薬などによって異なります。また、低血糖時には糖質の補給が必要になるため、日頃から主治医などと適切な対処法を確認しておきましょう。
監修医 医学博士・外科医 八巻孝之
糖尿病を対象とした治験(臨床試験)が実施されている場合があります。治験は、新しい薬や治療法などの有効性と安全性を確認するために行われる研究です。参加には一定の条件があり、期待した効果が得られるとは限らず、未知の副作用などが生じる可能性もあります。参加を検討する際には、目的や方法、予想される利益と不利益、他の治療選択肢などについて十分な説明を受け、理解したうえで、ご自身の自由な意思で判断することが重要です。